症例 爪甲鉤彎症ケア
経緯
数年前に爪を物に引っ掛けて剥離し病院を受診して抜爪する。
その後はあまりケアすることなく過ごしていたが生えてきた爪が厚く曲がってきた。
原因
抜爪後のケア不足もあるが普段履いている靴がかなりのオーバーサイズで歩行が不安定、靴の中で足が動いてしまい本来ならば母趾で蹴り出すところを過回内で母趾外側で蹴り出していた事により爪に外力がかかり曲がってしまったと考える。また、母趾末節骨隆起により爪の成長が阻害され肥厚、母趾に適度な刺激が入らず爪のスポンジ交換が得られず予後不良となっている。
処置
厚くなった爪を全体的に薄く削り少しずつカットする。テーピング(今回は絆創膏)で皮膚を下げ母趾末節骨の浮上がりを抑制する。爪に適度な刺激が入るようにポドストライプを装着する。
指導
原因はアーチバランスの歪みによる歩行である為、足のサイズ計測を行い適切な靴のサイズを指導(足のサイズが210cmに対して履いていた靴が235cm)アーチバランスを整えるためにbcasインソールを次回作成する。今回はソルボアーチサポーターで対応し屋内でもアーチバランスと母趾に適度な刺激が入るようにした。テーピングは毎日交換するよう指導
まとめ
事故による爪のトラブルは避けられない、急性の場合医療機関による処置は必要だがその後のケアは多角的に分析しないと今回のように予後不良の結果になってしまう。クライアントの生活環境、歩行、筋力、靴などセラピストは細かく分析する必要があり、クライアントの望むゴールに到達する為に指導、提案する事が望ましいと考える。